アーカイブ | 8月 2016

  • インフルの定義とノイラミニダーゼ阻害薬タミフル

    インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型と分けられており、ウイルスを構築するタンパク質のうちM1蛋白とNP蛋白の抗原性の違いに基づいて定義されています。A型とB型は主に冬場に蔓延する傾向にあり、A型は変異しやすいのと感染力の強さで世界的に流行しやすく、感染した人が手に入れる免疫の持続が短いという特徴で、B型では小さい規模ながら流行しやすいのですが、免疫力の持続が長いため流行のサイクルが数年おきとなっています。C型は小児に感染しやすいウイルスですが、流行するようなことはなく、免疫力も長期に持続し、場合によっては一生涯続くこともあります。こうして定義されたウイルスはタミフルの作用機序によって治療することが可能となっていますが、有効とされるのはノイラミニダーゼを持つA型とB型のみとなっています。ノイラミニダーゼはウイルスが体内で増殖するために必要な酵素ですが、C型にはこの酵素が存在しないことから有効性は発揮できません。また、例え定義されたA型やB型に有効と言われていても、ウイルスが変異したり耐性を持つようになっては、タミフルの有効性は発揮できない可能性もあります。すでにタミフルに耐性を持つA型ウイルスは発見されているので、こうしたウイルスが流行すると、治療が困難になるので無闇に使用するには注意が必要とされています。タミフルを含めた抗インフルエンザウイルス薬はノイラミニダーゼを阻害することで治療ができるようになっているので、これから先にノイラミニダーゼに効果が発揮できない新種のウイルスが現れると感染が広がり、世界中で流行することになってしまいます。そのため、今後はノイラミニダーゼ以外にも作用する治療薬の開発が必要となります。